回鍋肉を作ってみた ミスターゼウスと陳建一氏のいいとこ取り

回鍋肉を作ってみた Mr.ゼウスと陳建一氏

ハンバーグ対決

日曜日の昼下がり、4歳の長女は私のベッドでiPhoneを楽しんでいた。もうすぐ2歳の次女は絶賛お昼寝中だ。

テレビで面白そうな料理番組をやっていたので録画しておいた。料理の鉄人風だ。吉田鋼太郎が司会だが、オーナーは鹿賀なんたらと言ってるので、明らかにアイアンシェフの令和版だ。

途中から録画したので一部しか見れないのだが、番組では「たいめいけん」の和牛A5フィレ肉を使った自慢のハンバーグに挑む挑戦者がいた。

その名は正体不明のシェフ、ミスターゼウス。

いや、レシピは番組で組み立てたと言っていた。番組名も名乗っていたが忘れた。つまり番組自体が有名シェフへの挑戦者というわけだ。

柔らかな霜降りのフィレ肉は香りはいいが旨味が少ない。対して旨味が豊富なのはタフミートと呼ばれるスネ、もも、テールの硬い部位である。安い肉である。

これを粗挽きにしたミンチを細挽きのミンチで包んだ二層ハンバーグをミスターゼウスは焼き上げていた。しかも肉はただの和牛だ。A5などではない。

和牛A5フィレ肉のたいめいけんと安いタフミートを使ったミスターゼウス。

勝負に勝ったのはミスターゼウスだ。金にあかせて高級食材を使った成金のハンバーグを、知恵と科学を駆使して安価な肉を調理した一品が勝ったのだ。

あれ、ミスター味っ子?

まあ、そうは言ってもたいめいけんのハンバーグは旨いと思う。冷凍品しか食べたことがないが、今度ランチでも日本橋に食べにいってみよう。

高級回鍋肉

続いては回鍋肉。中国では四川を代表する一品だ。日本では豚バラとキャベツの味噌炒めと表現されることが多い。実際、そうやって作っている人が大半だろう。

しかし、回鍋肉の語源はその作り方にある。

中華鍋で沸かしたお湯に豚バラ肉ブロックを入れて茹でる。それを取り出して薄くスライスし、キャベツと炒めて甜麺醤で甘口に味付けする。

なんと、このレシピはかの陳建民氏が作り上げたものだとのことだ。

陳建一氏曰く「回鍋肉は味噌汁みたいなもんだからねえ。いろいろ作り方があるの。」だとのことだ。

本場では連山回鍋肉なるものがあり、皮付きの三枚肉を使い、分厚く切った肉をニラや葉ニンニクと炒めて豆板醤でピリ辛に仕上げるとのことだ。

また番組では豚肉を茹でると旨味が流れ出してしまうので、皮付きの三枚肉を60分ほどコンフィし、味を閉じ込めたものを使って連山回鍋肉に仕立てていた。

結果は、陳建一氏の勝利。さすがだ。ミスターゼウスは「策士策に溺れる」を地で行く感じであった。

皮つき三枚肉で作る回鍋肉

番組では陳建一氏が皮付きの三枚肉を「やられた」と話していた。また「日本では売っていない」と解説していた。

だが、私が住む、ここは沖縄。

皮付きの三枚肉など、スーパーでもJAでも普通に売っている。いつものくがに市場に野菜を買いに行ったら、小さな皮付き三枚肉の塊が348円で売っていた。

「ねえ、今日のランチは天ぷら蕎麦をやめて回鍋肉にしない?」

私の提案を妻は快諾した。

妻が春菊の天ぷらを食べたいと言うので、ランチは天せいろにしようと思っていたのだが、テレビであんなのを見せられたら、二人とも食べたくなるのは仕方がない。

しかも目の前には安価に皮付きの三枚肉が売られているのだ。

作り方をネットで調べる。中国語のサイトを参考にした。

いそめし流回鍋肉

材料

  • 皮付き豚三枚肉 300gくらい
  • キャベツ 5枚
  • 春菊 1/2束
  • 生姜 一片
  • 長ネギ 5cm
  • ニンニク 1個

調味料

  • 紹興酒
  • 鶏がらスープ
  • 甜麺醤
  • 豆板醤

作り方

  1. 中華鍋に湯をたっぷり沸かす
  2. お湯が沸いたら紹興酒 大さじ1、ネギの青い部分1本、生姜スライス皮付き2枚を入れ、豚肉を投入する。
  3. 肉に串を刺してスッと入るくらいまで茹でる
  4. 茹で上がった豚肉を冷水にさらす。こうすることで肉が締まり、食感がアップすると書いてあった。
  5. キャベツと春菊をざく切りする。葉ニンニクを入れるとのことだから、香り野菜なら春菊もいいだろう、冷蔵庫に残っていたのだ。
  6. キャベツはシリコン容器や耐熱皿に入れ、ふたやラップをして電子レンジ900Wで2分加熱する。油通しの代わりだ。
  7. 長ネギ、生姜、ニンニクを粗みじん切りする
  8. 肉を冷水から取り出してスライスする。家庭用包丁では5ミリ程度に切るのが限界だ。皮の部分は硬いので気をつける
  9. 中華鍋を熱し油を大さじ2入れる。
  10. 煙が出るほど熱したら生姜とネギとニンニクを鍋に入れる。
  11. スライスした豚肉を中華鍋に入れ、肉が白くなるまで炒める。
  12. キャベツと春菊を鍋に入れる
  13. 全体的にしんなりしてきたら鶏がらスープ 大さじ1を入れて鍋を振り、馴染ませる
  14. 甜麺醤 小さじ1、豆板醤 大さじ1を加える
  15. 全体的になじんだら火を止める

召し上がれ

ほんのり甘いピリ辛の味付けに脂の程よく落ちた厚めの豚肉。皮の食感とコクが今までにない味わいを実現している。

春菊は香りが抑えられて他の食材と喧嘩しない。キャベツの葉はレンジで加熱したことにより、芯まで甘く柔らかい。

なるほど、陳建一氏の言う通りだ。味噌汁のように冷蔵庫に残った具材で作ればいいのだな。

納得である。

今までに食べた回鍋肉とは別物である。今後、さらに改良してからおうちご飯レシピに載せることにしよう。

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